感想:アニメ『ウマ娘』第3期7話の舞台は有マ記念! キタサンブラックとサトノダイヤモンド、直接対決の結末は

タダツグ
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 現在放送中のアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』第7話“あたしたちの有マ記念”が放送されましたので、視聴しての感想をお届けします。

【注意】この記事では『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』第7話“あたしたちの有マ記念”感想

 ついにこの時が来てしまいました。キタサンブラックとサトノダイヤモンド、アニメ版第3期の中心ともいえる2人のウマ娘が、7話にして夢の舞台である有マ記念で激突します。

 トレセン学園に入る前からの幼なじみであり、入学後はルームメイトとして共に支え合い、切磋琢磨してきたキタちゃんとダイヤちゃん。まだ幼い頃、トウカイテイオーが劇的な復活を果たした有マ記念を目の当たりにした直後に“自分たちもいつか夢の舞台で一緒に戦おう”と指切りを交わした2人が、並び立ってしのぎをけずる激アツ回でしたよ。

 お互いにお互いを意識しつつ挑む戦いの行方は……あああ。正直、いつにも増して結果を濁しつつ感想を語るのが難しい! 今一度書いておきますが、ネタバレが気になる方は本当にご注意くださいね(汗)。

 結論こそボカしつつも、そこは勝負の世界。運命の有マ記念は同着……なんて、都合のいい結末にはなりません。本当にほんのちょっとの差で雌雄が決することになります。なってしまうんです。

 本当に、本当にあと少しの差。ただ、個人的にはその“あと少し”に大きな隔たりがあったようにも感じていて。勝敗を分けたのはきっと見据える景色の違いであり、覚悟の差だったように思います。

 幼い頃からの夢が実現することに高揚し、勝っても負けてもレースを楽しもうとしていたキタちゃん。一方、“海外遠征”という高い目標を定め、そのためにいまや国内トップのウマ娘に成長した“キタサンブラック”という目標の打倒を誓うダイヤちゃん。肩を並べて走る2人ですが、見つめる景色には大きな違いがあったと言わざるをえないんですよね。

 もちろん、2人の想いはどちらも純粋で眩しく輝いており。どちらかの想いのほうが優れているとかいないとか、そんな陳腐な二元論ではとても語れないものだと思います。それでも……。

 2人が今立っているのは、1位を“半分こ”はできない勝負の世界。順位という形での優劣はどうしてもついてしまうわけで。勝者は笑顔をこぼし、敗者は唇を噛む結果になりました。今の2人の立ち位置を明確に、そしてある意味残酷なまでに浮き彫りにした回。正直、まさかここまでガチンコで描くとは夢にも思っていませんでしたよ。さすがです、アニメ『ウマ娘』……。

 個人的に、この対決には心からワクワクした反面、見ていて胸が苦しくもなりました。3期の主人公ポジションはキタちゃんで間違いないと思いますが、一方でもはや群像劇の様相も呈しており、ダイヤちゃんにもしっかり感情移入しているだけに(6話「ダイヤモンド」が素晴らしかったこともあり)、どっちを応援すればいいかわからなくなりましてね。

 むしろどちらも応援したくなっちゃったレベル。結果、キタちゃんとダイヤちゃんの感情の起伏に、見ているこちらまで引っ張られて感情をぐちゃぐちゃにされました……。この原稿を書き終えたとして、ちょっと今夜はうまく寝付けない気がしますよ。今夜というか、もう朝なんですけども(苦笑)。こわやこわや。

 さておき、最後の2人の表情には思うところもありました。上にも書いたように、勝者が浮かべていたのは笑顔。大一番に勝利したがゆえ、これは当たり前でしょう。一方で、敗者も今できることをやり遂げたという満足げな笑顔こそ見せつつ、しっかり悔しさをかみしめる表情を浮かべていて。僕はこれに不思議な安心感を覚えたんですよね。

 唇をかみしめるその表情。これすなわち、結果に納得していないことの証左。次に戦うときこそ負けないという想い……そんな決意のようなものを感じたんです。もしかするとまだ本人すら気づいていないほど、心の奥底にある想いかもしれませんけどね。

 なんにせよ、キタちゃんとダイヤちゃんの戦いがこれで終わるとはとても思えないんですよ。きっと、次がある。そして次こそが本当の意味での“雌雄が決する勝負”になる……個人的にそう感じています。

 今回は“ウイニングライブが始まる!”という瞬間、おあずけを食らわせるかのようにエンディングへ突入したのも、その象徴のように思えます。まだまだドラマが生まれることは間違いないと確信してしまう演出でしたからね。この戦いを経たことで2人の関係値がどのように変化していくのか? ますます見逃せないところ。次回が心から楽しみです。

 心強くあれ。そしてもう1度立ち上がれ……と敗者に心からのエールを送りつつ。ここからはイチ『ウマ娘』ファン視点で、7話を鑑賞していて「おっ!」と思ったところを羅列していきますね。

シュヴァルグランは三姉妹! 新たなウマ娘たちが登場

 今回の有マ記念はどうしてもキタサトコンビに目が行ってしまいましたが、シュヴァルグランやサウンズオブアースら同世代のウマ娘たちも、それぞれの想いを抱えての激走を見せてくれました。

 ビックリしたのはシュヴァルグランが三姉妹の次女であったという事実。今回、彼女の姉であるヴィルシーナと妹のヴィブロスが初登場し、こちらを沸かせてくれました。

 どうやらヴィルシーナもヴィブロスもすでに各々がGIレースに勝利している様子で、まだGI未勝利はシュヴァルグランのみという状況……彼女の心境はいかばかりか。なかなかに複雑なものがありそうです。

 ちなみにヴィルシーナとヴィブロスは、7話放送後のタイミングで公式ポータルサイトにもその名が見られるようになった模様。ゲーム版のファンである自分としては、これはいても立ってもいられない心境です。

 どこかで3姉妹ピックアップとかあったりします……? サポカとかありえますか!? キタちゃんと名勝負を繰り広げたドゥラメンテと同様、イチトレーナー目線で気になるってものですよ。

アイキャッチではウマ娘・サウンズオブアースの楽器の中身が明らかに!

 これはやや一発ネタ的な側面もあるのですが。7話のアイキャッチはサウンズオブアースと、彼女が日ごろ持ち歩いている楽器(?)の中身が描かれていました。

 これ、どう見てもただの楽器ではないんですよ……。だって、楽器の中に電子機器が組み込まれていましたし(笑)。アイキャッチのおかげで、ますますもってサウンズオブアースが音楽を再生しているだけ疑惑が(僕のなかで)膨らんでいます。むっくむくです、もはや。

 ちょっとエキセントリックなところもありますが、どうにも憎めないサウンズオブアース。ナイスネイチャのことを“マドモアゼル”呼びしているなど、チーム“カノープス”にしっかり溶け込んでいるようで心がホッコリしました。

 “カノープス”といえば、イクノディクタスと並ぶ2人目のメガネっ娘(正体はいまだ明かされず)の存在もぐいぐい気になっています。いったい何者なんでしょうね彼女。サウンズオブアースともども、注目していきたいウマ娘の1人です。

 ぶっちゃけたところ、3期のターニングポイントになりそうな予感がしているこの7話。個人的には“幼なじみの呼び方が変わった”レース直前のあの演出に、心底ゾクッとしたものです。あの瞬間、部屋の温度どころか僕の体温までが一気に下がった気がしました。もっと言ってしまえば、どちらが勝つのかさえちょっと察してしまったというか……。完全に勝負師の顔で、思わずその瞳に吸い込まれそうになりましたね。素晴らしい、そして凄まじい演出だったと思います。まだ未見の方はぜひご自身の目で確認してみてください。

 それでは、今回はこのへんで!

©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会

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