【AC6レビュー】『アーマード・コア6』をシリーズファンが遊んだ感想は? 新しくも懐かしい操作感覚で、取っつきやすさアップ(≠簡単)
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- hororo
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フロム・ソフトウェアから、2023年8月25日(金)に発売予定の新作メカアクション『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』(アーマード・コア6 / AC6)。発売に先駆けてメディア向け体験会が実施され、約5時間ほど本作に触れることができましたので、その感触を記事とプレイ動画でお伝えします。
ちなみに私の『アーマード・コア』(以下、『AC』)シリーズの経験ですが、シリーズすべてを追っているわけではなく、適度につまみ食いしている感じ。比率的にいえば、レイヴン:リンクス:ミグラントの割合が1:1:1になるくらいでしょうか(わかる人にしかわからないと思いますが……)。
ということで、そこそこ『AC』の経験があるプレイヤー視点での感想になりますので、ご了承ください。
※本記事と動画は開発中のゲームデータをプレイしています。
まずゲームを開始する前に、フロム・ソフトウェアの方から簡単に『AC6』についての紹介がありました。本作を構成する柱として語られていたのは、“スケール感のある立体的レベルデザイン”、“アセンブルとバトルデザイン”、“難局を乗り越えた先にある高い達成感”の3つ。
1つ目の立体的レベルデザインは、同社が近年力を入れている『ソウル』シリーズなどにより培った経験も活用されており、ブースターによる立体的な機動を行える『AC』シリーズとの相性の良さもアピール。
そして2つ目は従来より『AC』シリーズが、3つ目はフロム・ソフトウェアのゲームとして初期より重視してきたことであり、まさに本作はこれまでの経験を結集した作品として形作られているのだと感じます。
●動画:【プレイレポート】神ゲー確定!? 遊んで分かった『AC6』の基本システム&触感を解説
【もくじ】
今風ながらも“AC”としての手触りが融合した新しい操作感
“スタッガー”により戦闘にメリハリが付き、緩急のあるバトルが楽しい!
ボス戦はフロム・ソフトウェア節が効いたものに! 巨大兵器との戦闘は手に汗握る展開!
脚部ごとの特徴がより鋭く! アセンブルで自分好みの機体を仕上げる楽しみもより強化!
メディア向け試遊会で撮影した動画
今風ながらも“AC”としての手触りが融合した新しい操作感
今回プレイできたのは、作中の冒頭部分であるチャプター1です。最初はチュートリアルを兼ねたステージなので、画面に表示される指示を確認しつつ、アクションを試していきました。
個人的に、機体が起動する際に「メインシステム、戦闘モード起動」という音声が流れると、そこだけでテンションが上がってしまいます。
この起動音声だけで「あ、『AC』だ……!」と思わせるくらいには印象的な言葉だったのだと、10年ぶりくらいに触って気づきました(笑)。
移動操作は昨今のアクションゲームと同じ感覚……左スティックで移動&右スティックで視点というスタンダードなもの。ジャンプボタンを押すとジャンプ、長押しでブースターを吹かして上昇する、というように直感的に操作が行えます。
なお、上昇中はEN(エネルギー)を消費するため、無制限に飛べるわけではありません。ENは接地することで回復するため、どのタイミングで地面に降りるかというのも、『AC』におけるポイントとなります。
移動はそのまま行えば足をガチャンガチャンと駆動させた徒歩移動に、ブーストボタンを一回押すことで地面を滑るように移動するブースト移動に切り替わります。ブースト移動にはENを消費しないため、基本はこちらでの移動がメインとなりそうでした。シリーズ経験者であれば、『AC5』をイメージするとわかりやすいと思います。
ただかなり慣性が効く印象だったので、微妙な位置調整や落下の危険性がある場合に徒歩に切り替える、といった使い分けになる感じでしょうか。
そしてジャンプや滑空、急降下などを織り交ぜた立体的な機動や、瞬間的に任意の方向に加速できる“クイックブースト”を織り交ぜた回避、そして長距離を高速で移動できる“アサルトブースト”(経験者にわかりやすく言えばオーバードブースト)を生かした急襲などは、まさに往年の『AC』そのまま!
なにより、ジャンプする際に感じる一瞬の重量感や、回避と攻撃を同時に行えるメカならではの挙動など、細かい部分に『AC』成分を感じられて、嬉しくなってしまいました。
一方で大きく変わったなと感じたのが、ターゲット操作。本作では、画面内にいる敵のうち、照準に近いものを自動的にロックしてくれます。しかもスティックを押し込むと、ロックした敵を中央に捉え続ける“ターゲットアシスト”を起動することも可能。いわゆるアクションゲームにおけるロックオンと同じ機能です。
つねに視点をそちらに向けてくれるため、自機の制御にだけ集中できるという点で非常に便利なのですが、シリーズ経験者としては複雑な気持ちも……(苦笑)。
というのも、これまでの『AC』シリーズでは、いかに相手を照準内にとらえ続けられるかという“サイティング”の技術も重要だったからです。機体の制御と同時に、相手を画面の中央に見据え続ける視点操作を同時に行うというのが、『AC』は難しいと言わしめた要因のひとつだったことは間違いありません。
しかし今回、思い切ってサイティングを排したことで、より初心者がとっつきやすくしたように感じました。私のように過去作のプレイヤーは、無意識にサイティングしようとして右スティックを動かしてしまい、ターゲットが外れてしまう、ということもあるため、初めのうちは経験者ほどやりにくさを感じるかもしれませんね。
また、リペアキットの導入も驚くところ。なんと今回はミッション中にAP(機体のHP)を回復することができるのです! 今回の試遊範囲では、ミッション中に3回という制限かつ、回復量も全快ではなくそこそこでしたが、それでも回復ができるというだけで心理的負担がかなり軽減されています。
ミッション途中で撃破されてしまっても、チェックポイントからの復帰も可能に。今までのように、ミッションを始めからやり直す、ということはありません。しかもチェックポイントからの復帰時にアセンブルを変更することすらできます! ショップは使えないので、購入してあるもののみですが、それでもこれはとても大きな変更……!
さらに細かいところでは、ブレードによる攻撃の挙動にも変化を感じました。具体的にいうと、かなり誘導が効くようになっています。これまでブレードといえば、当てるには習熟が必要な玄人向けの武器、というポジションでした。しかし『AC6』では敵に吸い付くように位置を調整してくれるため、初心者でも扱いやすい武装となっています。
その代わりダメージが控えめになったかなという印象も。今回は試せなかったものの、パイルバンカーなどの別の近接武器もあるようなので、武器によってはこれまで同様、“当てにくいが大ダメージ”の武器もあるのかもしれません。
このように書くと、「『AC』も甘くなったな~」という印象を受けるかもしれません。実際、私も最初はそう思いました。ですがプレイを続けて体感したのは、「優しくはしたが、易しいとは言っていない」ということ。
具体的な要素は後述しますが、あくまでもとっつきやすく、煩雑な操作を整理したものであって、それと難易度は別物だよね、という『AC6』の回答を見せつけられたように感じます。
“スタッガー”により戦闘にメリハリが付き、緩急のあるバトルが楽しい!
『AC6』において、プレイ感に影響を与える要素としてもっとも大きなものが“スタッガー”というシステムです。
これはダメージを与えるごとにACS(姿勢制御システム)に負荷がかかっていき、この負荷が限界に達するとスタッガー状態になり、機体が少しのあいだ制御不能になるというもの。
ゲーム的には、同社の『SEKIRO』に搭載されていた“体幹”システムに似たようなものとなっています。ダメージを与えることでACSゲージが上昇していき、ゲージが溜まり切るとスタッガー状態になり、一定時間大ダメージを与えられる時間が生じる、というイメージですね。
武器によって与えられる衝撃力(ACSへのダメージ)は異なります。例えばマシンガンやライフルなど、連射が効き当てやすいものはゲージの増加量は少なめ。逆にミサイルやバズーカといった連射ができないぶん威力が高い武器は、ゲージの増加量が多め、というイメージ。
もちろん、もっと細かく性能を比較すれば、この法則から外れる武器もあるでしょう。さらに、武器と敵の相性によっては装甲で弾が弾かれてしまうこともあるため、本作における武器選びは、これまで以上に試行錯誤のしがいがあるといえます。
当然ですが自機がスタッガー状態にさせられることもあります。スタッガー状態になると一瞬動きが硬直するため、そこに連続攻撃を叩き込まれると、APが最大の状態から一瞬で半分以上持っていかれるほどでした。リペアがあるとはいえ、一瞬の油断が命取りになるバランスは、さすが『AC』といったところです。
このスタッガーシステムのおかげで明確に攻めるタイミングがわかりやすくなり、戦闘にメリハリがついたことが、本作の一番の進化ではないかと思いました。
なお、自機のスタッガーについては攻撃を回避できるのが一番……なのですが、どうしても食らってしまうときはシールドを使うことも効果的。
シールド自体はこれまでのシリーズでも存在しましたが、今作ではシールドを展開した直後1秒ほどがシールドの効果をもっとも受けられる、という要素が追加されています。いわゆるジャストガード的なものですね。
また、アサルトブースト中は受ける衝撃力を低減できるなどの効果もあり、プレイヤーの腕前があれば立ち回りでダメージを調整できるという面も。機体性能だけでなくパイロットの腕が戦闘に影響するというのはロボットものにおける浪漫でもあるので、こういった要素があるのは嬉しいですね!
戦闘中以外でも、ミッションによって難易度が大きく異なったり、サブ目標が設定されていたりと、戦闘のみならず一本のストーリーとして見たときにもメリハリが付いていたように感じます。
ACの性能を生かして一騎当千の活躍ができる緩めのミッションがあったと思えば、ACでもないにも関わらずなかなか強い敵と戦わなければならないミッションがあるなど、チャプター1だけでも多彩なミッションを遊ぶことができました。
加えて、目標達成の障害となる敵ACが乱入してくることも! ミッションの目標には敵ACの撃破は入っていないため、無視して目標達成を狙うのも手段のひとつ。プレイヤーの傾向と腕前しだいで方針を変えられるのはおもしろいです。
ボス戦はフロム・ソフトウェア節が効いたものに! 巨大兵器との戦闘は手に汗握る展開!
『AC』シリーズのこれまでの作品では、ボス戦といえば強力な敵ACとの戦闘であることが多い印象です。なので本作もそうだと勝手に思い込んでいたのですが、少なくともチャプター1では大型兵器との戦闘が多かったことに驚きました。
巨大な武装ヘリコプターから始まり、突進してACをすり潰そうとしてくる車両、『AC5』のオーバード・ウェポンを連想させる多段ミサイルを搭載した機体など、とにかく敵がデカイ!
「敵が大きいなら攻撃が当てやすくて楽勝だな」なんて気持ちで挑んだら、見事に敗北(笑)。図体が大きいくせにミサイルが追い付かない速度で移動したり、正面に装甲を付けていて背後からじゃないとロクに攻撃が通らなかったりと、それぞれの防衛手段を備えているため、適当に攻撃を垂れ流しているだけではまったくダメージが入らないのです。
ここで必要になるのが、まさにスタッガー。敵のスキを見計らって攻撃をしっかり叩き込み、スタッガー状態になったら一気に削る! この流れを意識しないと、なかなか敵のAPを減らせないだけでなく、装備によっては弾切れを起こしてしまいます。
ちなみに、本作では弾切れを起こした場合でも、一応“パンチ”によってダメージを与えられるようにはなっていました。
これらのことを踏まえると、本作では“蝶のように舞い、蜂のように刺す”立ち回りが効果的なのかもしれません。「回避に集中し、一瞬のスキを付いてスタッガー&全火力を投入!」というイメージです。実際にやってみると、スタッガーの仕組みも相まって攻撃すべきタイミングが明確になり、プレイしやすさを感じました。
加えてボスの攻撃時には、危険を知らせる赤いマーカーが表示されるようにもなっています。そのため、敵の攻撃に合わせて回避に意識を集中しやすく、“回避と攻撃を同時に行う”という『AC』特有の難しさが軽減されているように思えました。
もちろん溜めたACSゲージを減らさないように、回避フェイズでも最低限の攻撃は必要ですし、過去作プレイヤーであるレイヴンやリンクスの方々のように常に攻撃できるならそれはそれでOK。あくまでも『AC』の難易度が下がったわけではなく、始める際のハードルが下がった、という印象です。
これは前述した“チェックポイントからの復帰”も同じで、「勝てない敵にはアセンブル(機体構成)を変えて挑んでみよう」という『AC』の本質に触れやすくする意図を感じました。
ボス戦は道中の比ではないくらい容赦なくこちらを潰しに来るので、とにかくアセンブルを変えて突破口を見出しやすくしているのかなと。まあ、そもそも所持パーツが少ないとミッション中のアセンブルに限度があるため、リスタートするときはするのですが……(苦笑)。
なお、所持パーツは買値と同値で売却できるのは従来通り。なので使わないパーツはいったん売って、使いそうなパーツに変更しておく、という手法は今作でも健在です。また、クリアしたミッションは再プレイになっており、資金調達に利用できるとのことでした。
当然ですが、これまでのようなAC戦もあります! こちらは昔ながらの戦闘で、とにかく敵の攻撃を回避しながらこちらの攻撃を叩き込む、これに尽きます!
スタッガーによる攻撃チャンスこそあるものの、全体的な立ち回りを見ると、攻略法を試行錯誤する大型兵器戦に比べ、AC戦ではこちらの機体の強みを押し付ける戦い方になるでしょう。
今回のゲームプレイを通して、全体的な単調さのようなものをまったく感じなかったのは、相対する敵のバリエーションが増えているということもあったのかもしれません。
脚部ごとの特徴がより鋭く! アセンブルで自分好みの機体を仕上げる楽しみもより強化!
詰まったらアセンブルを見直す、というのが基本になるほど『AC』とアセンブルは切っても切れない要素。
どの部位も重要ではあるものの、特に脚部パーツは『AC』において機体の立ち回りを決定づけるパーツです。それこそ、自分がやりたい動きがあっても、脚部がかみ合っていないと動かしにくい機体が出来上がってしまうほど!
今回のプレイではチャプター1ということもあり、初期から所持している中量二脚でのプレイが多くなりましたが、それでも一通りの脚部を使うことはできたので、その所感をお届けします。
まず二脚ですが、こちらはすべて脚部の基本となるベーシックな脚部です。クセがなく扱いやすいのが特徴で、3Dアクションゲームに慣れた人は違和感なく扱えるかと思います。尖った部分がないぶん直感的に動かすことができますし、ショップが解放されるまでは全員が二脚で遊ぶことになります。
続いて鳥の脚のように、間接部が逆側に曲がっているのが逆間接タイプ。ファンのあいだではいわゆる逆間と呼ばれるタイプですが、これは跳躍力に秀でているのが特徴。従来の作品では積載量が低めの傾向があり、軽量タイプのACでよく使われる印象です。
高い跳躍力を生かした頭上からの攻撃が持ち味で、実際ボス戦でも真上に攻撃が飛んでくることは少ないため、扱い方さえ学べば使いやすい脚部と言えそうです。ジャンプする際にグッと一瞬溜めが入るので、この感覚のズレに慣れるのが、二脚から乗り換えた際に少し大変でした。
四脚はその名の通り、4つの脚をクモのように接地させている脚部。『AC』では、射撃時の反動が大きい武装は、攻撃時に一瞬足が止まってしまうのですが、四脚は一部の武装を足を止めずに撃てるという特徴があります。
そして今作では、空中で滞空することが可能になりました! EN消費も少なく、かなり長い時間空中を滑るように移動できます。シリーズの一部の作品ではホバー移動をするフロート脚部がありましたが、あれに近い動きが可能です。
瞬間的に高所を取る逆間接とは違い、四脚は「常に浮いている」と言えるほどで、立体的な攻撃に乏しい敵相手であれば、かなり有利に戦いを運べる印象を受けました。
タンクの特徴は最大のAPと積載量に加え、前述の反動が大きい武装をすべて動きながら撃てるというもの。まさに移動要塞のようなアセンブルが可能です。耐久力と火力に任せたゴリ押しが可能な脚部として、古くから愛されている脚部ですが、ジャンプなどの立体的な動きが苦手という欠点があります。
今作のマップは立体的な作りになっている場所が多いため、戦闘はともかく移動に苦労することはあるかもしれません(笑)。また、その場での旋回の操作にクセがあり、小回りが利かないという短所も。一応ドリフトという固有アクションでカバーはできますが、それでも近距離で旋回するような素早い敵相手には持ち味を生かしきれないこともあり得ます。
基本的にはシリーズの脚部ごとの特徴が踏襲されていますが、四脚のようにより特徴が強化されたものも。どの脚部も個性的で使っていて楽しかったので、ますます自分だけのAC作りが楽しみになってしまいます。
もちろん、機体のカラー変更、エンブレムの作成といったシリーズが受け継いできた要素も健在! しかも今作では装甲のマテリアル(材質)調整による光の反射具合や、汚れなどもカスタマイズできるため、機体の外見カスタマイズはシリーズ中でも屈指の出来栄えといえるでしょう。
従来の『AC』らしさに加え、フロム・ソフトウェアが昨今培ったアクションらしさが融合したもの。それこそが『AC6』であると感じます。純粋なアクションゲームとしての完成度が高まっているだけでなく、ロボットゲームとして見たときの、“パイロットの腕前で難局を切り抜けていく快感”がとにかく最高!
チャプター1といえど一筋縄ではいかないミッションばかりで、「ここが! この戦場が、私の魂の場所よ!」というブルー・マグノリアのセリフがリフレインするほど……!
ミッション受注の通信越しのドライ感や、声のみでやり取りされるNPCとの掛け合いなど、『AC』ならではの演出もいつも通りなので、チャプター2以降の物語も楽しみでなりません。
歴代ファンは当然として、これまで『AC』に触れてこなかった人でも取っつきやすく(≠簡単)なっているので、ぜひ遊んでみてください!
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