レビュー:人類よわんこに導かれなさい…。『HUMANITY』は柴犬が人間を従えてゴールへと向かうアクションパズル【電撃インディー#457】

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はエンハンスとtha ltd.より配信中のアクションパズルゲーム『HUMANITY』を紹介します。

 電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

目覚めた柴犬に与えられた使命は光の柱に人類を導くこと

 インターフェースデザイナーの中村勇吾氏とゲームクリエイターの水口哲也氏が手掛ける本作は、一匹の柴犬を操作して光の柱に人類を導くアクションパズルゲームです。プレイヤーは柴犬として、各ステージで目的もなくさまよう人間たちを光の柱(ゴール)に導くことになります。

 この世界の人間は、目的だけではなく意志も失っていてただたださまようばかり。なので、柴犬の鳴き声ひとつで簡単にコントロールできてしまいます。

 死という概念もないので、柴犬が「ワン」と鳴くだけでどんな無謀なことでも疑問に思わず実行します。現実の我々だったら躊躇してしまうようなことでもお構いなしにできるのは、少し不気味というか怖いところがありますね。

  • ▲ゴールまで到達した人間は“実験室”という場所に集められています。

 ちなみに柴犬が光の柱に人間を導くのは謎の存在の指示のようですが、この存在というのがどのようなものなのかも気になります。

ルート決めが重要なシンプルなパズル

 本作の重要な要素となるパズルでは、ゴールに人間を導くために人間たちの移動をサポートしていきます。具体的には、人間たちの歩く方向を変えたり、歩いては通れないようなところをジャンプして飛び越えさせたりというものです。

 人間たちが歩き始めると指示しない限り、まっすぐにしか進みません。もちろん、そのままではゴールにたどり着けるわけがないので、歩く方向をコマンドで指示していきます。

 コマンドは、足元に設置することができ、そこに人間が到達すると方向転換やジャンプなど指示通りの行動を行います。

  • ▲人間たちへの指示は複数設置することが可能です。

 こういったパズルは行き先の指示に苦労するケースが多いですが、本作の人間は斜めに移動しません。4方向への指示だけなのでシンプルで覚えやすかったです。この方向転換の指示に加え、ステージごとに設定されているジャンプやフロートといった指示を駆使して光の柱を目指しましょう。

 なお、ジャンプと言っても普通にジャンプするもの以外に、より高くジャンプしたり、遠くまでジャンプしたりする指示も存在。ジャンプさせたい高さや距離に応じて、どのジャンプを使うかが重要になります。

 フロートは重力を軽減する効果で、ジャンプしたときの高さや距離が増えるというもの。ほかの指示と組み合わせることで、ひとつの指示では到達できない場所まで人間たちを誘導することができます。

 本作では人間たちを誘導するだけでは、ゴールまで到達できないパズルも用意されています。そんなときには、最初からパズルに用意されているギミックを活用することで道が開けます。

 その中でも重要なものが登れる壁を見極めること。人間たちは決まった方向にしか歩けませんが、その途中に斜線が入った壁があると自動で登っていきます。ジャンプなどの指示を使わなくても、高さを変えられる手段です。

  • ▲泳ぐこともできますが、水中ではコマンドを置けません。
  • ▲目の前に動くブロックがあれば、勝手に押して進みます。

 斜線が入っていれば、どこまででも壁を登っていけるので、場所こそ限られますが、ジャンプよりも高い場所に到達できます。

  • ▲登るのは簡単ですが、一定の高さ以上だと降りるときに人間が消滅してしまいます。

 ほかにも、扇風機のようなファンが埋め込まれた床もよく見られ、これに乗った人間はジャンプのように浮き上がります。プレイヤーが指示を出せるジャンプと違って場所が固定されているので、思ったところに人間を到達させるのは難しかったです。

 飛び上がったあとの人間の挙動にも癖があり、ファンのある床を抜けても、そのまま着地するのではなく、勢いがなくなるまで少し浮いたまま移動してしまいます。

  • ▲ファンを抜けた先の床に指示を用意していても、通り過ぎてしまうなんてこともありました。

 ギミックの中には、人間が通っているときにだけ効果が発動するスイッチも存在。これらのギミックを活用しないと、ゴールまでたどり着けないステージもあります。

 なお、ストーリーが進むとOTHERSという勢力が登場。OTHERSを迂回して進むのか、それとも人間に指示を出して戦うのかを選ぶステージも存在します。

金色の像“GOLDY(ゴールディ)”もゴールまで導こう

 光の柱へ向かうには直接関係ありませんが、ステージには金色の像“GOLDY”が何体か配置されています。

  • ▲金色なうえ、ほかの人間たちよりも大きいので目立ちます。

 GOLDYはステージを開始したときは、まったく動きませんが、ほかの人間と接触することで動き出し、それ以降はほかの人間たちと同じように動き始めます。

 ゴールまでGOLDYを連れていかなくてもクリアすることはできますが、GOLDYを一定数以上ゴールまで導いていないとアンロックされないステージも存在します。

 ほかにも、時間の加速や一時停止などの要素もアンロックされ、パズルを効率よくプレイできるようになります。人間たちの姿も変えられるようになるので、ぜひGOLDYを集めていきましょう。

 各ステージは一定数の人間がゴールに到達するとクリアになりますが、クリア画面中でもGOLDYは移動を続けます。GOLDYを誘導できている場合は、クリア後にGOLDYがゴールに到着するまで待っていましょう。

 なお、GOLDYは人間と違い、ステージから落下してしまうと復活することはできません。ゴールまでのルートを確立してから、GOLDY集めにチャレンジするのが賢明ですね。

 ただご安心を。本作ではステージのやり直しが簡単にできます。さらに、完全に最初から始めるのか、指示を配置したままでやり直すという、ふたつのやり直しが選べるのが嬉しいですね。

 クリアまでの道筋はひとつではないので、途中で失敗しても色々な方法を試して、最終的にクリアまでの道筋を決定してからやり直すことが可能です。GOLDYをゴールまで導く場合は難易度が高くなるので、それも含めて完全にクリアを目指しましょう。

 なお、本作ではステージクリエイトも可能。世界中のプレイヤーが生み出したステージにも挑めるので、それらのステージにもチャレンジして『HUMANITY』独特のパズルを満喫してください!


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